失敗しない転職術!リハビリ職向け 連載【8話目】 病院以外で働く

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シリーズ② 障害福祉領域で働く! 病院との違いは?

目次

障害福祉分野で働く!リハビリ職が働ける勤務先は?

病院以外で働くシリーズ②は障害福祉分野です。介護保険分野と比較して、利用者様が若年になりますので、子供が好き!な方は、働き甲斐がありますね!

近年、施設数が急増している分野

近年、施設数が急増している分野だけにリハビリ職の需要が高くなっています。平成26年から令和元年にかけて、全国の障害福祉施設の利用者児童数が2.3倍に増加しています。特に、障害児通所サービスの費用は、毎年、10%を上回る増加率で推移しており、他制度よりも大きな増加率といえます。

参考:厚生労働省 障害児通所支援の現状等について:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000801033.pdf

需要が高まっている中でリハビリ職が働ける障害福祉分野の施設は下記の通りです。

リハビリ療法士が働ける 障害福祉分野の施設

特別支援学校

重症心身障がい児施設 等

児童発達支援センター

放課後等デイサービス

児童発達支援事業

特別養護老人ホーム・老人デイサービスセンターなどの老人福祉施設など

今回は、特別支援学校、児童発達支援センター、放課後等デイサービスについて解説します。

特別支援学校で働く!業務内容や待遇は?

特別支援学校とは?

障害のある子ども(幼稚園、小学校、中学校又は高等学校まで)に学習や生活上の自立が必要な練習をする場所。
対象は視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む)

特別支援学級でのリハビリ職の役割と需要

「現在、医療的ケアを必要とする児童・生徒の増加に伴い、特別支援学校へのリハビリ職の配置を望む声が多いものの、外部依頼を受けて定期的に学校へ訪れる外部専門職がほとんど」という状況だそうです。とても希少で社会的需要も高いことが伺えます。

特別支援学校で働くには?

リハビリ職で先生という響きは特別感がありますね。特別支援学校で勤務するには免許が必要です。

【 特別免許状の取得 】
『教員免許状を持っていないが、優れた知識経験等を有する社会人等を教員として迎え入れることを目的に、都道府県が授与する免許状です。しかし、自立活動教諭として理学療法士を採用する都道府県は少ない状況です。


【 自立活動教諭免許(肢体不自由)の取得 】
『大学等における通常の教員養成のコースを歩んできたか否かを問わず、教員資格認定試験によって教員として必要な資質・能力を有すると認められた者に、与えられる免許状です。教員資格認定試験は、理学療法士の免許を取得している者に免除科目があり、他の方法(下記参照)と比較すると最も取得しやすい方法です。

日本理学療法士協会HPより引用:理学療法士が特別支援学校で働くためにhttps://www.japanpt.or.jp/assets/pdf/activity/investigation/specialsupport_141224.pdf

理学療法士が特別支援学校に勤務するまでのロードマップ

STEP
国家資格取得(理学療法士
STEP
教員資格認定試験 (隔年実施)自立活動教諭免許の取得
STEP
教員採用試験(特別支援学校の採用試験)を受験
STEP
入職

国家資格取得から3~4年必要なハードルの高い職種になります。まずはお住いの都道府県のHPからチェックすると良さそうです。

特別支援学校の待遇は?

公立の特別支援学校の場合、教員は地方公務員であるため、給与の額は自治体によって異なります。』

文部科学省の「学校教員統計調査」(2019年度)によると、全国の公立・私立・国立を含めた特別支援学校教員の平均給料月額は、33万5,600円でした。公立の特別支援学校に絞ったデータでも、全体の平均給料月額は同じく33万5,600円です。』スタンバイplusより引用

わたげ

平均的な地方公務員の年間休日日数は約130日だそうです。

児童発達支援センターで働く!業務内容や待遇は?

児童発達支援センターとは?

就学前の児童(未就学児)を対象とし、障害のあるお子さんが、通所して療育を受ける施設です。運営は自治体や福祉法人、次に株式会社が多いそうです。一般的な預かりプラス療育をする施設になります。

児童発達支援センターでのリハビリ職の役割と需要

近年は、冒頭の説明でもあったように、理学療法士、作業療法士や言語聴覚士の障害福祉分野における急激な需要があります

業務内容は機能訓練担当職員として、センター内での個別療育・集団療育等、児童指導員へのフォロー、関係機関との連携や調整等、訪問支援事業として、保育園や幼稚園、小学校に出向し専門的な立場から指導します。

例)作業療法士の療育計画の一部

・手指の巧緻性に対するアプローチ:はし・スプーン、はさみ、鉛筆の練習。

・知覚・認知能力のアプローチ:積み木、ブロックなど

・ コミュニケーションや社会性を向上させるアプローチ:集団ゲーム、会話を用いたプログラム

・平衡機能のアプローチ:歩く、走る、スキップ、縄跳び、自転車など

児童発達支援センターで働くには?

求人サイトでは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士共に、療育の経験はなくても、3~5年の実務経験や小児施設勤務経験を要件にいれている施設が多数、見られました。

その理由として、お子様のみならず保護者様との面談や説明があるため、社会一般的な礼節やコミュニケーション能力が必要であるからと考えられます。そのため、病院勤務である程度経験を積んでからの転職がよさそうです。

児童発達支援センターの待遇は?

お子様をお預かりする施設のため、フルタイム勤務では18:00退勤と病院勤務と比較して遅めになります。作業療法士、言語聴覚士であれば、パート求人も求人サイトで見られました。

例:理学療法士 正社員 関東地方の株式会社の一例

・月給:270,000円~

・賞与:年1回

・ボーナス:年2回

・年間休日124日 (完全週休2日制)

・残業5時間/月程度

・月~土 8:30~18:00 休憩1時間

放課後等デイサービスで働く!業務内容や待遇は?

放課後等デイサービスとは?

放課後等デイサービスでは学校に通う6歳~18歳までの「就学児(大学生は除く)」が対象の施設です。

児童発達支援センターと同様に、通所系施設で障害のあるお子さんが、通所して療育を受ける施設です

わたげ

先ほどの児童発達支援センターと比較して、放課後等デイサービスは利用できる児童の対象の年齢が上になります。

運営は自治体、営利法人、社会福祉法人、NPO法人などがありますが、営利法人が急激に増えています。

対象となる障害は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を持つお子様です。 障害者児童に支給される療育手帳がなくても、児童相談所、市町村保健センター、医師等の判断で、療育の必要性が認められた児童も対象になります。

営業時間は、学校が終わった後や、休校日となる土曜日、夏休みや冬休みなどの長期休暇中です。

わたげ

障がいをもったお子様が通える学童クラブのような施設です。

障害の幅が広いので、放課後等デイサービスはバリエーションも豊富です。

自閉症スペクトラムやADHD、学習障害(LD)、ダウン症の歩行が可能なお子様から、

低酸素症・仮死・髄膜炎・脳炎後遺症・低出生体重児・てんかん後遺症・染色体異常・原発性小頭症・狭頭症・水頭症などの車いすが必要なお子様まで。

わたげ

一言に放課後等デイサービスといっても、カラーがあります。

放課後等デイサービスでのリハビリ職の役割と需要

重症心身障碍児放課後等デイサービスなどの医療ケアが必要な場合は、機能訓練担当職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)として配置されます。

近年では、学習障害やADHDなどのお子様を対象とする放課後デイサービスが増えているため、OTやSTの需要も高そうです。

前述したとおり、対象となる障害が幅広いので、POSで専門的な視点からの個別的なアプローチに加え、お子様の送迎や集団療育など幅広い業務をこなさなければなりません。病院勤務と比較しても柔軟な対応も求められる現場になります。

今後も放課後等デイサービスの施設設置数が増加をすれば、ますますリハビリ職の需要は高まることが想定されます。

わたげ

制度開始から20年経過し成熟してきた介護保険分野とはまた違う、伸びしろのある分野といえます。

放課後等デイサービスで働くには?

求人サイトでは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士共に、療育の経験実務経験を求める要件があまり見受けられませんでした。新卒でも採用の機会がありそうです。

放課後等デイサービスの待遇は?

例:言語聴覚士 正社員 関東地方の株式会社の一例

・月給:240,000円~380,000円

・賞与:年1回 ・昇給:年1回

・ボーナス:有 

・年間休日108日 (週休2日 日曜店舗休み) ・年末年始休暇(7日間)

・残業:不明

・月~土 9:00~18:00(休憩60分) 休憩1時間

まとめ

・特別支援学校の就職には、国家資格以外にも資格が必要で、3~4年かかる。待遇は、地方公務員と同じ。

・児童発達支援センターは、「障がいのあるお子様の保育園」の意味合いに近い。

国家資格があれば勤務可能だが、実務経験を求める企業が多い。転職は小児施設の勤務経験を積んでからのほうが良さそう。待遇は運営が地方自治体やNPO団体、営利団体など、幅が広いため違いがある。

・放課後等デイサービスは、「障がいのあるお子様の学童クラブ」の意味合いに近い。

国家資格があれば勤務可能だが、施設のカラーが多いので、自分の専門や興味に合った施設を選ぶと良い。待遇は、運営が最近では営利団体が多いため、会社員くらいである。

いかがでしたでしょうか?

病院以外でもリハビリ職は、社会的に需要の高い職業であることが伺えますね!

次回は、行政・教育分野で働く!病院との違いは?についてです。お楽しみに☆

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