がんのお看取り 最期迎える場所は… 自宅? 病院? 【第二話】

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前回は、緩和ケア病棟でのお看取りについてお伝えしました。

第二話では、緩和ケア病棟と比較した訪問看護ステーションのメリット・デメリットについてお伝えします。

目次

在宅での訪問看護ステーションのメリット・デメリット 緩和ケア病棟と比較する

訪問看護ステーションのメリット

・在宅での快適さ

訪問看護は、患者様が住み慣れた自宅での在宅医療治療が可能となり、気心の知れた家族や友人と一緒に時間を過ごすことで、快適さや安心感が得られます。

ご家族への支援

家族や施設のスタッフなどの介護者は専門的なケアの指導や、不安な時は心理的なサポートを受けられます。

訪問看護ステーションのデメリット

・限られたリソース

定期的に週に数回、30〜60分程度の看護師やリハビリ職員が患者様のご自宅や施設に訪問するものの、滞在する時間や頻度が限られます。そのため、体調不良の際は、病院と比較し、すぐに対応できない場合があります。

・緊急時の対応の難しさ

患者様の緊急時には、患者様やご家族が24時間365日、電話で看護師に相談ができるようになっています(緊急時訪問看護加算対応のステーションのみ)。

しかしながら、自宅で行える検査・治療には限界があり、救急要請や入院が必要になることも念頭に置くと良いでしょう。

・ご家族の負担

患者様がご自宅で過ごされる一方で、ご家族様が看護師不在の時間をケアに費やす必要がでてくるでしょう。

具体的には、受診の付き添い、内服の手伝いや管理、おむつ交換、栄養学的に管理された食事作りが中心となります。

場合によってはストーマ、導尿カテーテル、在宅酸素供給器、胃瘻などの管理、ベッドや車椅子の適切な使用などが挙げられます。

また、体調不良時の対応など幅広いケアを24時間するため、時間的制約が生じ、介護疲れや介護離職の恐れがあります。共倒れしないように、介護保険サービスなどを上手に利用し対策することが大切です。

緩和ケア病棟勤務の看護師の経験談

実際に緩和ケア病棟に勤務経験のある看護師様より「どのような方が緩和ケア病棟に合っているのか?」を伺いました。

緩和ケア病棟の様子

私は、30代男性看護師です。看護師歴は7年あり、緩和ケア病棟で勤務しています。

緩和ケアの看護師

最期を穏やかにお過ごしいただくため、あえてモニターは装着しない場合があります。
患者様の家族背景として、老老介護で自宅でのケアが大変な方は緩和ケア病棟を選択するのが多い印象です。

緩和ケアの看護師

一般病棟でも当てはまりますが、新型コロナウイルスの感染対策中は面会時間は15分程度とされており、面会頻度や時間を制約されることがありました。

緩和ケアの看護師

ご家族の面談と帰宅後に急変し、亡くなった患者様もおられました。ご家族様は意外にも落ち着かれ、看護師への感謝の言葉をくださった経験もあります。

わたげ

患者様はご家族様と最期に会話ができたことで、安心して旅立つことができたのでしょうか?

ご家族様は普段から何気ないけれど、心温まる会話から看護師さんへ安心と信頼をし、旦那様の旅立ちを受け入れることができたのですね。

緩和ケア病棟の選び方 ~看護師の視点から~

わたげ

実際に病棟で勤務している看護師さんとして緩和ケア病棟はどう選ぶとよいか教えてください。

緩和ケアの看護師

「どのような高度な治療を受けられるのか」も大切ですが、私は「環境」を重要視されると良いと思います。
「環境」とは、医療従事者の接遇や病棟の雰囲気のことです。

わたげ

環境ですね?
どのような点を注意すればいいでしょうか?

緩和ケアの看護師

・入院中の患者様が、穏やかな表情や落ち着いた言動である。

・医療スタッフの患者様との接し方が丁寧である。


・病棟の行事なども行われ、イベントを通して病院を感じさせない取り組みをしている。


この3つがポイントになります。

わたげ

高度な医療体制も重要ですが、
やはり患者様やご家族様への心理的な配慮がされているのがポイントなのですね

緩和ケアの看護師

医療スタッフが「心理的なサポートが重要である」という意識が薄い病棟では、残念なことに、患者様との関わりが機械的な対応になってしまいます。

疼痛の管理はしてもらえるものの、業務的にこなされては、入院生活を過ごす上で苦痛となります。

やはり、患者様、ご家族様、医療スタッフが笑顔で過ごせる「環境」というものが一番大事だと考えます。

わたげ

緩和ケア病棟では、環境面ではどのような配慮をされているのでしょうか?

緩和ケアの看護師

緩和ケア病棟では、患者様に尊厳ある最期を迎えて頂くため、日々の医療業務の他に、病棟の行事、ご家族様の笑顔ある交流を通して、深い思いやりを持つよう心がけています。

~緩和ケア病棟の看護師の立場から~ 看護師の役割

緩和ケアの看護師

終末期においては、いくら医療が進歩してもケアできることは、わずかなことかも知れません。

しかし、緩和ケア病棟の看護師は患者様が前向きに生活を営み、一層安楽に過すごしていただくために考え、行動しようと決意します。

緩和ケアの看護師

緩和ケア病棟の看護師の役割は、患者様とご家族に寄り添い、共にその人生の最期の旅路を支えることであると述べています。

わたげ

患者様が安らかに旅立ちできるように、緩和ケア病棟の看護師さんは医療ケアだけでなく、心のサポートも尽力されているのですね。

現場で働く看護師さんからの体験談は、やはり胸に響くものがあります。
お聞かせいただき、ありがとうございました。

第一話・二話は、緩和ケア病棟の看護師様の執筆と監修で作成しております※

↓今回執筆・監修してくれた緩和ケア病棟勤務経験のある看護師様 のプロフィールはこちらから↓ 

https://www.lancers.jp/profile/tsuku_chan

Twitter:@fukugyo_comeon
Instagram : fukugyo_comeon

次回は、訪問看護ステーションにてターミナルケアの勤務経験のある わたげ が 在宅でのターミナルケアについての体験談をお伝えします。

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