リハビリ職の転職事情とポートフォリオ作成のヒント
昨今の転職事情 リハビリ職の視点から考える
転職で年収は上がるのか?
『厚生労働省の「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果」によると、2019年1年間の転職者のうち、前職より年収が上がった人は34.2%、下がった人は35.9%、変わらなかった人は27.9%となっています。
年齢別にみると、若い人ほど年収が下がる割合が少ない傾向にあります。この理由としては若いうちはもとの年収が低いこと、また転職の選択肢が多いことが考えられます。』
(Create転職 転職で年収は上がるのか、下がるのか 更新日:2022年6月29日 より引用)
転職による年収ダウンはなるべく避けたいものです。特に子育て中の方は、転職による収入減は、とても深刻になりますので慎重に判断する必要があります。
リハビリ職の転職は他の職業と比較し、国家資格であることからハードルは低いものと考えらますが、年収ダウンしないように、「希望する業務につく」「ライフワークバランスを大切にしたい」などを自分が優先したい条件をはっきりさせて、条件の良い職場を念入りにリサーチしましょう。
理学療法士の離職率からみた転職事情
平成28年(2016年)の理学療法士の平均離職率は医療機関で10.2%、介護福祉領域で18.8%とされています。(日本理学療法士協会の「2016年(平成28年)医療従事者の需給に関する検討会」より参照)
同年(平成28年)の離職率は産業全体で15.0%で、理学療法士の転職率は介護福祉領域でやや高めとなっています。(厚生労働省 平成 28 年雇用動向調査結果の概況 より参照)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/17-2/dl/gaikyou.pdf
介護福祉領域では十分な人員が確保できていないことが要因と協会は推察されていますが、私自身は介護福祉分野にて17年勤務しています。
病院勤務と比較して柔軟な勤務体系の事業所が多く、私以外にも土日休みやパート勤務ができるなどの理由で、子育て中のリハビリ職がたくさん勤務していました。
年々増加する理学療法士の会員数
2023年現在、全国で理学療法士は約91000名で、20年前と比較し約4倍増加しています。
そのうち、病院で勤務する理学療法士は圧倒的に多く、約65100名と約67%を占めています。従来の医療・介護のみならず、職域の拡大は日本理学療法士協会でも話題になりました。
(公益社団法人 日本理学療法士協会 http://50th.japanpt.or.jp/trend/より参照)
これから、どんどん新人理学療法士が現場に参入してきた際、生き残れるスキルがあれば、どんな現場でも適応でき、仕事が続けられるでしょう。
転職は、様々な現場を知り、自己研鑽できるとても良い機会になるのです。恐れず、準備をすすめていきましょう。
リハビリ職のポートフォリオ作成の意義
ジョブカート作成をして自分のキャリア分析をする
ところで、リハビリ職の新卒の就職先は、ほとんどが病院だと思いますが、皆さんはいかがでしょうか?
学生時代のリクルートスーツを着て、インパクトのある履歴書を提出する…いわゆるフレッシュマンの就活とは転職は違ってきます。
求人先は、経験によってアップしたあなたのキャリアや人柄、これから活躍してくれる人材かをみています。いわゆる即戦力を期待しているのです。
そのためには、資格取得、学会・研修会参加、論文執筆、管理職の経験は武器になりますので、日頃からしっかりとした積み重ねが必要です。
そこで、一度ご自分のポートフォリオを見返して、強みを確認してみましょう。
面接で強みが上手く伝われば、採用に一歩近づけます。
資格取得や学会参加が難しかった場合でも、日頃から熱心に勉強していた事や、社内評価、同僚や上司から褒められた事などはアピール出来ます。
なかなか、自分のブラッシュアップができない方は、文部科学省、厚労省および経済産業省の「ジョブ・カード」を作成し、働く価値観と照らし合わせるとよいでしょう。
(https://www.job-card.mhlw.go.jp/guidance/download_blank ジョブ・カード制度 厚生労働省より参照)
是非、諦めずに自分の長所や、やりたいことを探してみて下さいね。